grabbit、高価な絵を買わされそうになる、の巻。 | Grab it!!

grabbit、高価な絵を買わされそうになる、の巻。

いやあ、渋谷をね、歩いてたんですよ。
髪を切ろうと思って。
そしたら、チラシを配ってるお姉さんが居たんです。
前々から俺は、そーゆー配ってる人がいたらもらってあげよう。
っていう心優しい子なんで、当然受け取ったんですけど、
この日はなんか様子が変。
というのも、
その人が紙を手放さないんです。
なんで、立ち止まってしまいました。
すると、そのお姉さんは説明を始めました。
今日は天気が悪いから誰も受け取ってくれない。
今配っているこのチラシ(ってかポストカードでした)は、
招待券になっていて、すぐそこでシルクスクリーン
(シルクで作った版画みたいなもののコトらしい)
の展覧会をやっているから見にきて欲しい。と。
んで、俺もさっさと髪切りに行きたかったんだけど、
見てすぐに帰っていいと言うことと、
そのお姉さんがあまりに可哀想だったので、
観に行くコトに。
会場はすぐ近くにありました。
が、入ってから、バカな俺はようやく気がつきました。

あぁ、これって、高い絵を売りつける、例のあれか。

案の定、フロア内では、俺と同じ様な男が、別のお姉さんとなにやら話し合っています。
で、騙されないぞ。と思いながらぐるっと一周して、
さぁ帰ろうと思ったら、お姉さんは、
「この中で一点選ぶとしたら、どの作品がいいですか?」
と聞いてきました。
んで、何気なく近くにあった風景画を言ったら、
お姉さん、
おもむろにその作品を取り外すではないですか!!
えぇぇ!!もう俺お買い上げですか!?
で、その取り外した作品を別の場所へと持って行って、
光を当ててみるとまた違って見えるから、
イスに座ってゆっくり見ろ、と。
で、イスに座ったら、そこからお姉さんのその絵の解説が30分
よくこれだけ俺が適当に選んだ作品に関して語れるなぁ。
と感心してしまいました。
しかし、いくらこの作品が素晴らしいといっても、
右下に張ってある小さなシールに書いてあるお値段は100万円
そんなん買える訳がありません。
そして、話は次第に作品を購入する。
といった様な方向へ。
お金がない今こそ、少し頑張ってこういったいい作品を買えば、
自分のステータスにもなるし、もっと頑張ろうという気にもなる。
さらにリラクゼーション効果もあっていいコトずくめ!
買うなら今!!
みたいな話でした。
もーいい加減帰りたいんですが、
とにかく話がノンストップで、
まったくこちらから話が切り出せない。
さて、どうしたものか・・・。
と思っていると、話が、シルクスクリーンとポスターの違い。
というものになりました。
そこで俺は、ふと気付いたのです。
あれっ、この絵、ポスターの方がキレイじゃない?
その時俺の手元には、
そのお姉さんから渡された同じ作品のポストカードが握られていたのですが、
この2点、同じ絵なのに微妙に色合いが違う。
そして、俺にはどうもそちらのポストカードの方が色合いが美しく思えたのです。
そこで俺は、お姉さんに質問してみました。
以下会話の内容です。

俺「このポストカードは、原画のコピーなんですか?」

姉「そうですね。」

俺「このポストカードを見て思ったんですけど、原画の方が色合いが綺麗ですよね。なんか、光の感じとか、暖かい感じがします。俺、原画の方が好きですね。ちなみに原画っていくらぐらいなんですか?」

姉「1000万ぐらいですね。」

俺「1000万かぁ、いいものを持てば、自分のモチベーションが上がるって言うのなら、100万より1000万の絵の方がいいですよね!決めた!俺、原画買います!

姉「原画は画家の人が持っていて、売ってくれないし、それに大きさもすごく大きいから家に飾れないですよ。」

俺「いや、俺本当にこの絵気に入ったんで、画家の人に頼んで何とかして譲ってもらいますよ!それに、絵が大きいんなら、それに見合った大きな家を頑張って買います!!よーし!ヤル気でてきたぞ!どうもありがとうございました!」

姉「若いっていいですね・・・。」

と、最後にはお姉さんに呆れられながら、屁理屈こねてなんとか何も買わずに脱出することができました。

あー、怖いお兄さんとか出てこなくてよかったぁ。